栄養療法は、薬による治療や食事療法と、どういった違いがあるのでしょうか。栄養療法は、患者の栄養状態を検査して、不足している栄養素をサプリメントや点滴などで補う治療法です。疾患により低下した免疫力や身体機能を回復させ、病状の回復を早めたり、感染症を防いだりすることを目的として行われます。病気やケガの治療には、多くの場合薬を使用した治療が行われます。栄養療法自体は、あくまで薬を使わずに栄養状態を向上させる事によって身体機能を高める治療法ですが、本来の身体機能を回復させる事によって、薬による治療の効果を高めるという側面もあります。精神的な疾患などにおいて、適切な薬による治療の後も、身体の不調が続いたり、病状が再発したりする原因として栄養バランスの乱れが挙げられます。こういったケースも、栄養療法を取り入れることによって改善する場合があるのです。
現代においては、栄養バランスの乱れによる疾患が増加しており、薬だけで補えない部分の治療が必要であるといえます。また、病状によっては、栄養療法ではなく、食事療法が有効な場合もあります。食事療法とは、食生活を見直し、バランスや量を管理していく事で、病状の悪化を防いだり健康的な身体を目指したりする治療法です。肥満症や糖尿病など、食生活の乱れに起因する病気の患者に多く用いられます。栄養療法との主な違いは、栄養療法が不足している栄養素を補う治療であるのに対し、食事療法は食事による栄養管理をする治療法であるという点です。食事療法には、栄養療法と同様に、薬による治療の効果を高める側面もあります。病状によって適切な治療法を判断することが重要です。